中東におけるハラル認証制度と日本国内の認証機関について

近年、インドネシアやマレーシアといった東南アジアのイスラム教国をターゲットとしたビジネスが盛んになってきています。イスラム圏をターゲットとする場合必然的に中東もターゲットと考えることができますが、そもそも最近耳にする「ハラル認証」とは何なのか?どの国内認証機関の承認を取るべきなのか?等といった疑問にお答えします。

ハラルとは

イスラム教徒(ムスリム)にとって立法者であるアッラーが示した行動規範「シャーリア」に定義される戒律上、「許されたもの」や「合法的なもの」という意味のアラビア語です。 信仰心の強弱はありますが、ムスリムは基本的に上記の考え方に沿って生活しています。ハラル証明書は「シャーリア」上合法であることを示す認定書の事を言います。
ムスリムにとって豚肉、アルコールはもちろんの事、鶏肉や牛肉に至っても「シャーリア」で示された方法にのっとって屠畜(とちく)されていないものはハラル食品にはなりません。正しい方法で処理されており、輸送、原材料保管、運搬、梱包、製品保管、流通等全ての工程において「ハラル性」が確保されていることが原則ですが、現状は国によって輸入に関する規定は様々です。

中東のハラル認証制度について

東南アジアのイスラム教国は2008年頃から各国が国を挙げてハラル認証制度の整備を進めています。一方で、中東ではハラル認証制度の制定への動きが始まったばかりです。中東でこのような動きが活発になった理由は下記の3点が挙げられます。
1、一部の商品がハラルではない事が明らかになったこと
2、イスラムを経済として見直す機運が高まったこと
3、東南アジアにおけるハラル認証制度設立の動きが高まったこと

ドバイ政府の対応「ドバイ・イスラム経済開発センター(DIDEC)」

ドバイ政府は年率10~15%で成長しつつあるイスラム経済を見越し、2013年に「ドバイ・イスラム経済開発センター(DIDEC)」を設立しています。

主な活動

世界的なハラル認証標準を確立、統一化

GCC標準化機構によると、2015年末までにGCC諸国としてUAEのハラルマークを使用するかどうかを決定予定

ハラル関連企業のドバイ進出を促進

「ハラル・パーク」と呼ばれるフリーゾーンを建設

UAE独自のハラルマークの発行

首長国連邦基準化計測庁(Esma)は製造、保管、運輸全ての過程においてハラル製品の適合性の確保を目指 し、独自のハラルマークを発行

今後中東でのハラル認証制度の確立が加速していくことは間違いないでしょう。では、現状はどのようにハラル認証を取得する必要があるのでしょうか。

国によって異なるハラル認証制度

現状はイスラム教国であってもハラル処理が必要である食品は肉類、動物性油脂等に限られている国が多いようです。
国によって詳細が異なるので、実際に輸入に必要な輸入制度を国毎に確認することが必須です。

日本国内のハラル認証機関

日本国内には約100以上のハラル承認機関が存在すると言われています。
ハラル食品にビジネスチャンスを見出したハラルマーク発行団体が日本国内で乱立しており、イスラム教の教えに厳格な団体もあれば、単にブームに当て込んで設立されたような団体等もあり、玉石混淆状態となっている様に思えます。
何故なら、輸出先の国により認められている機関は少なく、UAEからは1機関のみがハラル証明書発行機関として認められているにすぎません。

国によって異なる制度、日本での認証機関の基準等まだまだ不確定な要素が多いのが現状です。今後イスラム圏に進出するに当たって最も大切な事は最新の正しい情報を正しく把握する事であり、そのルートを確立する事です。

UAEに関してはドバイ政府も施策を打っている事から、今後いきなり認証制度が変わる事も想定できます。弊社は企業様のイスラム圏展開を、ドバイから正確な情報を足で稼ぎ、正確にご報告する事によって、低コスト、低リスクで企業様にとって判断に足る要素をご提供する事をお約束いたします。

ご不明点、ご質問等がございましたら、是非、お気軽にお問合せください。些細な事でも、真摯にご対応させていただきます。